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三木武夫が三木おろしで耐えられたのは、検察や内閣法制局などを敵にしなかったから?

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検察や内閣法制局は、予算の殆どが人件費で予算配分に左右されない

 三木武夫は、田中角栄と同じ時代を生きた政治家です。

最近本屋に行くと田中角栄の本がたくさん並んでおり、注目を集めているようです。

しかし、「靖国神社私的参拝」を行ったことによって、天皇陛下靖国に参拝できなくなった、首相が公式参拝すると隣国から文句を言われるようになった、というような、地味に大きな禍根を残している人です。

 

 

また、田中角栄というと、ロッキード事件にという、史上最大級の汚職事件を引き起こした、金権政治家というイメージもあります。

その時の内閣総理大臣三木武夫です。

元総理を刑事裁判にかけるときは、検察官から現職の内閣総理大臣に御用聞きがあるそうです。なぜなら、法務大臣が指揮権を発動して強制的に操作を停止させられるからです。

 

しかし、三木武夫は「なぜやらないんだ」と、けしかけるような動きをしたそうです。これは、同時代の政治家田中角栄が、三木武夫の政敵で有り続けたからだと考えられます。

三木武夫のイメージは「クリーン三木」。

金権政治家の田中角栄とは対極のイメージ戦略を取っています。

 

田中角栄はなぜ検察に刺されたのか?

田中角栄は、当時闇将軍として、大きな権力を振るっていました。

それは、田中角栄子飼いの政治家が自民党総裁内閣総理大臣を歴任していることが示しています。

 

これは、田中角栄が経営者であり、予算の裏を読む能力があった、人を動かす能力があった、という2つが関わっています。この2つの能力は、人を動かす力として学ぶべきところが多く、田中角栄の魅力を作っている一つの要素です。

 

予算の裏を読む経営者田中角栄

大蔵省が予算を作成するときに、表向きの見せ方を政府に提出します。ここには、いざとなったときに使うためのプール金を潜めておき、他の省庁から予算の増加要求があったときに、権力を振るうときに小出しにしていたそうです。

そのため、大蔵省は大きな権限を他省庁に奮っていました。

しかし、田中角栄は経営者の観点から、その隠れ予算を見抜いて、予算として使える実質額を握ってしまいます。

つまり、大蔵省は下手な予算を作っていくと田中角栄に認められなく、修正には膨大な時間がかかることから、田中角栄の言うことを聞かなくてはいけない状況に追い込まれます。

その結果が放漫財政となったのは、田中角栄が自分の権力を高めるために、各省庁、政治家などに、必要な予算を聞き、大蔵省に通していたからです。

 

豪快な人たらしの経営者田中角栄

田中角栄は、官僚の名前をすべて覚えていたそうです。

霞が関には膨大な人数がいます。

その人の名前を覚えていたというのはかなり驚きです。

といっても、名前が怪しいときもあったそうで、そういうときには・・・

 

田中角栄「君、名前はなんだったね?」

官僚「佐藤です」

田中角栄「そんなことはわかっている。下の名前だよ」

 

すごい処世術ですね。

内閣総理大臣が自分の名前をきちんと覚えている、ということは官僚にとっては地震につながるでしょう。大企業で社長が平社員や課長の名前を覚えている、という状況に近いかと思います。

 

予算でも人の面でも動かされないお硬い検察、内閣法制局

さて、人脈と金脈、どちらがより影響力が大きいか、といえば、それは金脈です。

なぜか?省益に関わってくるからです。

自分の名前を覚えてもらっている、ということは本人としては嬉しいので、信頼や忠義につながるでしょう。

しかし、自分の話と組織の話は話が別です。

 

検察、内閣法制局という、法律を司る部署は、ほとんど人件費しかかからず、予算争いから遠いところにいます。

そのため、田中角栄の金脈の力が通用しない、という特徴があります。

また、日本は三権分立が基本です。

司法と行政というのは相互に監視し会う権利として設計されています。

(司法のほうが監視が弱く、独善的になりやすいのは藤井浩人美濃加茂市長の件で明らかです)

その監視の一つが法務大臣の指揮権発動による、操作の強制停止、というわけですね。

 

つまり、内閣でないと強制停止はできない、ということです。

元首相の立場であり、最大の政敵である三木武夫内閣総理大臣になってしまったとき、田中角栄の栄華が潰えた、ということで、それがロッキード事件だった、ということです。

 

三木武夫のことを勉強していた小泉純一郎元総理

小泉純一郎総理大臣も長い間総理の地位にいた、人気の首相でした。

その小泉純一郎首相も、靖国神社に私的参拝をしています。

これは、三木武夫にならっていたということです。

 

三木武夫自民党内の権謀術数、どのように権力を振り回し、自分に権力を寄せていくのか、という力に優れていました。

また、弱小派閥になる、権力の座から落ちることも厭わず、筋を通すような人でも有りました。

 

そのような三木武夫の話がコンパクトに纏まっているのが、倉山満さんの政争家三木武夫 田中角栄を殺した男、です。

政治がどのように動いてきたのか、その駆け引きを知るのに、コンパクトに纏まっている面白い本です。

1時間位でスルッと読むこともできますし、参考文献を当たって、理解を深めることもできる面白い本ですね。

 

政争家・三木武夫 田中角栄を殺した男 (講談社+α文庫)

政争家・三木武夫 田中角栄を殺した男 (講談社+α文庫)

 

 

 

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